この前から通いはじめた選手ですが...
いわゆる「スランプ」と言う状況と言えばいいんでしょうか。
きっかけは、一つの故障。
そこから、再開するとまた痛くなる→いろんな所に痛みが出る....
あっちが治れば、こっちが痛くなる。それが取れたら、また別のところが痛くなる。
それを庇ってやっているうちに、リズムが狂って来る→痛いから本来の動きができない?→痛くなくても、感覚とのズレがある→思うように動かない焦りがリズムを狂わす→バランスの悪い動きから、また痛みを生じる....
言ってみれば、こんな負のスパイラルです。
そこに至るまでの間、恐らく いろんなアドバイスをされ、いろんな事を試し、考え....
そうしているうちに「本来の自分は、どうやって動いていたか.....?」
も わからなくなる。
わからないから、戻しようもないし、わからないから「これだ!」と言う自分の中の軸と言うか、自分のベースになるべきものがなくなってしまう.....
そんな中でますます迷走する。
アドバイスしてくれる人も、工夫しようとする自分も、決して悪くはないし、誰も混乱させようとしているわけでもないはずなんですが....
如何せん、本人が「これだ!」と言う感じで、好調時の指標として持っていたものを無くしてしまって、それをどこで無くしたのか?それがどんなもので、どうすればそれが戻ってくるのか?
と言う一番大事なものが、抜け落ちてしまってるので、ますます抜けれない状況に至ってしまう....
恐らく、そんな感じでした。
1回目の治療では、彼自身が、今現在気になっている部分。そこを中心に、そこから全体に繋げて行くようなアプローチで施術をし、次までにセルフケアで取り組んでもらう宿題を提示させていただきました。
私の手応えとして....どうも、はまった気がしない。確かに、一つの問題点ではあるけれど、それは枝葉末節の「枝」の部分の話ではないかなあ…確かに、そこに問題がない訳ではないけどなあ
と言う印象が拭いされない施術でした。これがいいかどうかは、次に来たときに本人の手応えで確認するしかない。もしかしたら、何かの糸口を掴むかも知れない....
とは思いつつも、次回の治療でこの方向性でどう進める事ができるか?と言うイメージが全然沸いて来なかったのも事実です。
多分、この方向じゃない。
が、次回に来るまでに私が至った結論でした。
2度目の来院時。口ではよくなってる気がする...と言いつつも、醸し出す雰囲気は、手応えに乏しい感じでもあり。
セルフケアで指導した○○がうまくできない....と。
なるほど....まだ、枝の方に目が向いてるか。
そっちを見てしまうと言うことは、間違いなくこの方向じゃない。別の方向から突破口を見つける方が良さそうだ。
と言う事から、ガラッと治療の方向性を変えて、もう一度彼自身の感覚の部分にフォーカス。
その中から拾い出せたモノを手懸かりに、探って行く....確証はないけど、恐らくこの方向じゃないか?と。
いわばパズルのピースがうまくはまる。と言うか、オセロの黒が一気に全部白になる様なイメージがわくものがありました。
ただ、その時点ではあくまでも私の中の手応えでしかありません。
目の前の人間が、その手応えを掴んでくれない事にはなんもはじまりませんので....
手技によるもの、動いてみてもらうもの....
どちらもですが「自分の中の感覚を感じてもらう事。その変化を自分で表現してもらうこと」
どう言う手技を用いてどこをどうした。とか、どうなってたから、どう言う動きをしてもらった。とかを書き出すと、これは明日の夜になっても書き上がらない気がするので....割愛 笑
いつも思うのですが、私が治した訳ではない。彼自身の治りたい気持ちになんとか道筋をつけるきっかけを、ちょうどうまく示すことができた。と言うことですね。
自分の感覚に気づく事。それが変わることに気づく事。自分の中にあるものと心を落ち着けて対話してあげること....
見えなくなってた自分の中にある、本来の自分のリズム、自分の息と、自分とを繋げて行くこと.....
そうやって行くうちに、少しずつ自分の心と、自分の体が繋がって来る。
実体のあるものと、実体はない「自分そのもの」とが一致してくる。
自分の体が、自分の意思に応えて動いてくれる!その感じが戻って来たんだと思います。
まだ、学生である彼としては、指導してくださる方々からのアドバイスはどれも聴かなければならない立場でもあるでしょう。その指導をされる方が間違っているとか言うことではなく、彼自身が悩みながらも、自分の軸と言うか、本来の自分を見失っていなければ、アドバイスの取捨選択や、よい解釈はできるのだと思います。
ただ、それが、こうやって自分自身を見失った状態であったり、知識や経験も少ない中では、なかなか難しいでしょうね.....
自分が、その立場であったとしたら、やはりそうなる気がしますし....
治療して、自ら取り組んでもらうことを持ち帰って、自分と対話をしつつ、変化に気づき、また次回治療に来たときにフィードバックしていく....
こうやって、ある意味彼自身で答えを見つけて、再び自分を信じて苦しい時に踏ん張るエネルギーが出てくる様になる。
こう言う形で、いい顔で復帰して行ってくれるのはいいものです。
まだ、あちらこちら....課題はありますが、それもまた何らかの形で全体を診る中で、よい方向に行ける様に。
知識も経験もなくても、本来ひとりひとりが自分自身で持っている感覚。頭で考えた事ではない感覚。
そこを上手に引っ張って行ける様な....そんな感じでやっていければいいなあ…と思っております。
と....まじめに〆てみた直後....
チャック全開だったことに気づきました( ̄0 ̄;)
結局、しまらない話ですなあ(^_^;)